お誕生日おめでとうございました
29歳になりました。
え?マジ?ほんとに?いやでも平成3年生まれなんで多分そういうことになりますね
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ここ数年というか2年ばかりは本当にいろんなことがあって、人生を天秤にかけたり、棒に振ったりして。
転がったり立ち上がったり泣いたり笑ったりしながら、それでも死にたくなくて、やりたいことがあって、それでも「本当にやりたいことってなんだろう?」ってわからなくて、でも諦められるほど聞き分けも良くなくて、出来ることを必死でやって、そうしてなんていうか、やっと29歳になった感じ。
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特にこの一年は色々と…まぁコミケ出たくらいだけど…あったりして。諸手を挙げて大成功だったとは言えないかもしれないけど、それでも納得行くような結果は出たのがよかったなとは思う。
そういうのをひっくるめて、等身大の29歳っていったら変だけど、29歳らしい29歳にはなってるような気もする。
10年前の自分が見たらなんていうかな。「それはねえよw」って言う気もするし、なんとなく納得しそうな気もする。
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周りはだんだんと結婚したとか、子供ができたとか、そんな話が増えてきた。フォロワーもなんだかんだ、結婚したとか子供ができたとか、そんなツイートを見るようになった。
高校生だった人が大学生になり、大学生だった人が社会人になり、社会人だった人が仕事を変えたりと、そんな様子を見ることも多くなった。
ネットの向こうの、顔も知らない人たちの時間が過ぎていく中、なんとなく自分だけが取り残されているような気がしている。
どこか、仕事を変えたあの瞬間から全部の時間が止まったような、そんな気がしている。
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もっとも、それは気がしているだけで、ちゃんと時間は過ぎていっている。周りの変化が、それを証明している。
あの日から2回目の桜が散った。3度目の桜が散るときには、いよいよ30歳だ。もちろん、年齢なんてただの細胞分裂の回数測定でしかないなんていうのもわかるけども、社会というやつはなかなかそれを許そうとはしない。
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帰ってこいよ、とは言わない親の、両親が去年の暮れと今年のはじめに亡くなった。俺の生家に居た祖父母ともに居なくなり、三階建ての家は今、父と母と犬一匹の暮らしになっている。
気にならないといえば嘘になるが、それでもやっぱり、俺は帰りたくない。「帰ろうと思わない」んじゃない、「帰りたくない」のである。
それは、あの田舎特有の閉塞感が嫌だとか、なにもないから嫌だとか、そういうだけじゃなく、ただ何も手にできないまま帰るという選択肢を必死で否定したいだけなのかもしれない。
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どこにつくかはわからなくても歩き続けたくて、手と足を動かして、ただ闇雲に前に進んでいる。
それがスタート地点だったとしたら、まぁ、その時はそれで笑おう。
29回目の誕生日、おめでとうございました。